東京海洋大学の小型実験船「らいちょうN」に、水素燃料電池とリチウムイオン電池で航行する船として国内で初めて船舶検査証書が交付された。自動車の車検証に当たるもので、航行中に二酸化炭素(CO2)を出さない水素燃料電池船の普及の第一歩になるという。
らいちょうNは全長が約14メートル、9・1トンで12人乗りだ。総工費は1億数千万円ほど。トヨタ自動車の市販車「MIRAI(ミライ)」で使われている燃料電池が主電源で、トラブルの際などに使うリチウムイオン電池も積んでいる。巡航速度だと5時間で70キロ以上を航行できるという。
らいちょうNが国土交通省の安全ガイドラインに適合するよう、東京海洋大の開発チームは2022年から晴海沖などで実験や調査を重ねてきた。その結果、ガイドラインの約200の項目すべてに適合したことから、今月4日、国交省所管の日本小型船舶検査機構から船舶検査証書を交付された。
地球温暖化を抑えるため、船…